OB/OG訪問や会社説明会で用意すべき人物像
OB/OG訪問と会社説明会は、企業と学生を直接的に結ぶ「接点」である。
学生との「コンタクトポイント」と表現してもよいだろう。
どのような人物をそのコンタクトポイント(=学生との接触点)に送り込めば、効果的な採用活動となるのだろうか。
学生を「顧客」と見立てるアプローチは、本コラムで何度も提案していることである。
「学生だから」「若者は」「いまどきの若い奴は」などといった学生を下に見る価値観では、消費者サービス慣れした学生の心をつかまえることはできない。
学生をエンドユーザー、顧客と捉え、あらゆる採用プロセスにおいて自社の価値を届ける対象と認識してこそ、「客受け(=学生受け)」する採用場所を演出できるのだ。
採用の時期になると、喫茶店などでOB/OGと面談している学生をよく見かける。
時折、訪問を終えた学生が集まってその日の訪問について雑談している場面にも遭遇する。
また、学生セミナーで学生に直接質問して「OB/OGと会ってみてどうだった?」と訊き、本音を探ることもしている。
同時に、学生セミナーの現場では、説明会に参加した経験のある学生とも雑談をしながら、
「説明会に参加してみてどうだった?」
と聞いたりして、学生の目線で見た説明会についての情報も集めるように努めている。
雑談という本音が出やすい心理状況を設定して学生の本音を聞いているわけである。
以上のことをここ10年以上、採用現場で仕事をしている人達とのやり取りを含めて、行っている。その中で気がついたり発見したりしたポイントを今回はご紹介したい。
—————————
■OB/OG訪問で用意すべき人物像
次の2つの条件を満たす人物が理想だろう。
1)戦略的雑談力のある社員
2)入社3~5年以内でロイヤリティの高い社員
第一の条件、戦略的雑談力とは、単なる雑談とは違う。
「どのような学生に対して会社のどのポイントを印象付けると、わが社を好きになってもらえるか?」
の視点で、賢く楽しく雑談ができる社員を意味している。
取りとめのない話と本題を行ったり来たりしながら印象形成をできる人物だ。
脱線、余談を交えながら、学生から質問や意見を引き出しつつ、学生の言葉や認識を土台に話を膨らませながら、切り込んでいくセンスの良さもあるとなお効果的だろう。
自分のことしか話さないとか、ただ学生の意見を聞いているだけの偏ったコミュニケーション力しか持ち合わせていない人物を送ってはいけない。
学生にとっては、卒業生であるOB/OGは「将来の自分」なのだ。
よく話を聞いてくれるし、話が面白い。この印象を意図的に植え付ける能力が戦略的雑談力である。
第二の条件は、入社5年以内でロイヤリティの高い社員である。
会社へのロイヤリティが高い社員は、就職活動中の学生からすれば理想の社員である。
学生は、「どこの会社で働きたいか?」という欲求(感情)で会社選びをしている。
OB/OGとの面談においても、「この先輩は会社が好きなのだろうか?」という気持ちで社員を見ている。
先輩の話す姿、内容にこの「好き嫌い」で敏感に反応するのである。
学生とのコンタクトポイントに送りかまれた社員に会社ロイヤリティをあまり感じられないと判断した時点で、会社への魅力もなくなってしまうのだ。
ロイヤリティの高さに加えて所属年数も大切な要素だ。
学生と学生目線で話せる限界は会社経験3~5年以内と捉える方が現実的だ。
この年齢を超えてしまうと、学生の感情、体感がつかめない。
学生も、「入社してからの自分」をイメージしにくい。
入社3~5以内の社員だと、自分自身の就職活動のこともよく覚えているので、
学生に対して就活アドバイスも可能。
アドバイスをもらった学生は会社に対して好印象を持ちやすい。
■会社説明会で用意すべき人物像
会社説明会で学生の心をつかむには、説明会という「現場」を学生の目線でその「動線」を確認することから始めたい。
動線上にどのような人物を配置すれば企業イメージの向上に寄与するのだろうか。
主なコンタクトポイントは3つある。
1)ファーストコンタクトポイント:最初に学生と接触するポイント(外部案内と受付)
2)ミドルコンタクトポイント:司会者、プレゼンター、それを見ている他の社員
3)ファイナルコンタクトポイント:最後に学生と接触するポイント(受付)
この3つのポイントで学生の印象形成を狙う。
特に重要なのは、最初と最後。
ご存知の取り、人の印象を決めるのは、出会いの最初と最後だ。
どのような人物を配置するかで、ミドル(中盤)におけるプレゼンの印象上の良し悪しも決まってくる。
理想的な人物は、常識的かつ単純だ。
ファーストコンタクトポイント及びファイナルコンタクトポイントでの人物、
いわゆる「受付(レセプショニスト)の要件は次の通り。
<受付者の要件>————————————
・八方美人(良い意味での)
・気遣い心遣いのできる人
・笑顔が自然に出る人
・身なりがきれいな人
・臨機応変な対応ができる人
・ハッキリと物事が言えるが、物腰の柔らかい人
・学生と同じ目線に立つことができる人
—————————————————————–
続いて、ミドルコンタクトポイントにおける人物像について見ていこう。
<司会者の要件>————————————–
・人前に話しことが得意な人
・声がよく通る人
・身なりがきれいな人
・臨機応変な対応ができる人
・時間管理ができる人
・行動的な人
・眠気に強い人
—————————————————————–
プレゼンターの要件を確認したい。
<プレゼンターの要件>————————————–
・人前で話ができる人
・話の内容に精通している人
・仕事以外の話も上手な人
・声がよく通る人
・時間に正確な人(集合時間、説明時間)
・例え話しが上手な人
・人受けが良い人
・学生に対して応援モードな人
・愛社精神が強い人
・他社を下げることを言わない人
・採用活動を重要視している人
—————————————————————–
つまるところ、会社説明会とは企業コンペなのである。
学生という「顧客」に対して、自社という「商品」を買ってもらうための競争。
これが会社説明会なのだ。
したがって、説明会においては、上記の要件を満たす社内(人事部を含んだ)のベストメンバーを揃える必要がある。
また、場合によってはリハーサルを行い印象形成の度合いを確認したり、
あるいはプレゼンテーションのトレーニングを実施したりすることも必要だろう。
学生という顕在顧客を心つかむためにできることはいろいろとあるはずだ。
——————-
「企業は人だ」使い古された言葉かもしれない。
が、企業でそれなりに働いてきた人にとっては真実だろう。
「人は難しい」これもまた真実。採用活動は、この「人」を「人」でつなぐ場面・舞台なのだ。
その中でも特に「OB/OG訪問」と「会社説明会」は「人がモノを言う世界」だろう。
どのような人物を学生とのコンタクトポイントに送り込めるか、それが問われている。
執筆者プロフィール
学生との「コンタクトポイント」と表現してもよいだろう。
どのような人物をそのコンタクトポイント(=学生との接触点)に送り込めば、効果的な採用活動となるのだろうか。
学生を「顧客」と見立てるアプローチは、本コラムで何度も提案していることである。
「学生だから」「若者は」「いまどきの若い奴は」などといった学生を下に見る価値観では、消費者サービス慣れした学生の心をつかまえることはできない。
学生をエンドユーザー、顧客と捉え、あらゆる採用プロセスにおいて自社の価値を届ける対象と認識してこそ、「客受け(=学生受け)」する採用場所を演出できるのだ。
採用の時期になると、喫茶店などでOB/OGと面談している学生をよく見かける。
時折、訪問を終えた学生が集まってその日の訪問について雑談している場面にも遭遇する。
また、学生セミナーで学生に直接質問して「OB/OGと会ってみてどうだった?」と訊き、本音を探ることもしている。
同時に、学生セミナーの現場では、説明会に参加した経験のある学生とも雑談をしながら、
「説明会に参加してみてどうだった?」
と聞いたりして、学生の目線で見た説明会についての情報も集めるように努めている。
雑談という本音が出やすい心理状況を設定して学生の本音を聞いているわけである。
以上のことをここ10年以上、採用現場で仕事をしている人達とのやり取りを含めて、行っている。その中で気がついたり発見したりしたポイントを今回はご紹介したい。
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■OB/OG訪問で用意すべき人物像
次の2つの条件を満たす人物が理想だろう。
1)戦略的雑談力のある社員
2)入社3~5年以内でロイヤリティの高い社員
第一の条件、戦略的雑談力とは、単なる雑談とは違う。
「どのような学生に対して会社のどのポイントを印象付けると、わが社を好きになってもらえるか?」
の視点で、賢く楽しく雑談ができる社員を意味している。
取りとめのない話と本題を行ったり来たりしながら印象形成をできる人物だ。
脱線、余談を交えながら、学生から質問や意見を引き出しつつ、学生の言葉や認識を土台に話を膨らませながら、切り込んでいくセンスの良さもあるとなお効果的だろう。
自分のことしか話さないとか、ただ学生の意見を聞いているだけの偏ったコミュニケーション力しか持ち合わせていない人物を送ってはいけない。
学生にとっては、卒業生であるOB/OGは「将来の自分」なのだ。
よく話を聞いてくれるし、話が面白い。この印象を意図的に植え付ける能力が戦略的雑談力である。
第二の条件は、入社5年以内でロイヤリティの高い社員である。
会社へのロイヤリティが高い社員は、就職活動中の学生からすれば理想の社員である。
学生は、「どこの会社で働きたいか?」という欲求(感情)で会社選びをしている。
OB/OGとの面談においても、「この先輩は会社が好きなのだろうか?」という気持ちで社員を見ている。
先輩の話す姿、内容にこの「好き嫌い」で敏感に反応するのである。
学生とのコンタクトポイントに送りかまれた社員に会社ロイヤリティをあまり感じられないと判断した時点で、会社への魅力もなくなってしまうのだ。
ロイヤリティの高さに加えて所属年数も大切な要素だ。
学生と学生目線で話せる限界は会社経験3~5年以内と捉える方が現実的だ。
この年齢を超えてしまうと、学生の感情、体感がつかめない。
学生も、「入社してからの自分」をイメージしにくい。
入社3~5以内の社員だと、自分自身の就職活動のこともよく覚えているので、
学生に対して就活アドバイスも可能。
アドバイスをもらった学生は会社に対して好印象を持ちやすい。
■会社説明会で用意すべき人物像
会社説明会で学生の心をつかむには、説明会という「現場」を学生の目線でその「動線」を確認することから始めたい。
動線上にどのような人物を配置すれば企業イメージの向上に寄与するのだろうか。
主なコンタクトポイントは3つある。
1)ファーストコンタクトポイント:最初に学生と接触するポイント(外部案内と受付)
2)ミドルコンタクトポイント:司会者、プレゼンター、それを見ている他の社員
3)ファイナルコンタクトポイント:最後に学生と接触するポイント(受付)
この3つのポイントで学生の印象形成を狙う。
特に重要なのは、最初と最後。
ご存知の取り、人の印象を決めるのは、出会いの最初と最後だ。
どのような人物を配置するかで、ミドル(中盤)におけるプレゼンの印象上の良し悪しも決まってくる。
理想的な人物は、常識的かつ単純だ。
ファーストコンタクトポイント及びファイナルコンタクトポイントでの人物、
いわゆる「受付(レセプショニスト)の要件は次の通り。
<受付者の要件>————————————
・八方美人(良い意味での)
・気遣い心遣いのできる人
・笑顔が自然に出る人
・身なりがきれいな人
・臨機応変な対応ができる人
・ハッキリと物事が言えるが、物腰の柔らかい人
・学生と同じ目線に立つことができる人
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続いて、ミドルコンタクトポイントにおける人物像について見ていこう。
<司会者の要件>————————————–
・人前に話しことが得意な人
・声がよく通る人
・身なりがきれいな人
・臨機応変な対応ができる人
・時間管理ができる人
・行動的な人
・眠気に強い人
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プレゼンターの要件を確認したい。
<プレゼンターの要件>————————————–
・人前で話ができる人
・話の内容に精通している人
・仕事以外の話も上手な人
・声がよく通る人
・時間に正確な人(集合時間、説明時間)
・例え話しが上手な人
・人受けが良い人
・学生に対して応援モードな人
・愛社精神が強い人
・他社を下げることを言わない人
・採用活動を重要視している人
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つまるところ、会社説明会とは企業コンペなのである。
学生という「顧客」に対して、自社という「商品」を買ってもらうための競争。
これが会社説明会なのだ。
したがって、説明会においては、上記の要件を満たす社内(人事部を含んだ)のベストメンバーを揃える必要がある。
また、場合によってはリハーサルを行い印象形成の度合いを確認したり、
あるいはプレゼンテーションのトレーニングを実施したりすることも必要だろう。
学生という顕在顧客を心つかむためにできることはいろいろとあるはずだ。
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「企業は人だ」使い古された言葉かもしれない。
が、企業でそれなりに働いてきた人にとっては真実だろう。
「人は難しい」これもまた真実。採用活動は、この「人」を「人」でつなぐ場面・舞台なのだ。
その中でも特に「OB/OG訪問」と「会社説明会」は「人がモノを言う世界」だろう。
どのような人物を学生とのコンタクトポイントに送り込めるか、それが問われている。
執筆者プロフィール
| 古波倉 正嗣(こはくらまさつぐ) ヒューマンキャピタル・イニシアティヴ代表 ヒューマンキャピタル・イニシアティヴ代表、(株)マンゴーズ シニアアドバイザー、国際ディベート学会公認 ディベートトレーナー。現在、企業、官公庁研修所、自治体等 において、「思考力強化/コミュニケーション力強化」をテーマに、問題解決手法、論理的思考法、ディベート(日本語/英語)、プレゼンテーション(日本語/英語)、ビジネスラ イティング(日本語/英語)等、様々なプログラムの開発及び指導を行う。企業研修も多く人事との交流も深い。学生向けの就職活動支援セミナー講師歴は約15年になる。 問い合わせ先: ![]() |














