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    SFもののマンガってあまり読まないんだけど、こいつは凄かった。

    バイオメガ(全6巻/弐瓶勉)

    – あらすじ –

    西暦3005年。7世紀ぶりに火星への有人飛行を成し遂げた人類。すでに廃墟と化し、水も酸素もないかつての入植地で、探査船乗組員は1人の女と出会う。
    その後、帰還中に探査船は地球周回軌道上で大破。発見された乗組員の遺体は未知のウイルス【N5Sウイルス】に冒されたまま、軌道上を漂い、地上に胞子を撒き散らしていた…。

    半年後、地球。東亜重工のエージェント、合成人間 庚 造一は、DRFの管理下にある人工島【9JO】に潜入。そこは既にN5Sウイルス感染者で満たされていた…!! ウイルスの地表全域拡散まで残り役15時間。造一はN5Sウイルス適応者を探し出し、保護することはできるのか!?

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    と、まぁこんな感じ。
    中身とか全然知らなかったのだが、表紙絵が綺麗だったので買った。

    世界の崩壊が、究極的に言うと一人の人間のエゴ…。というか愛から生まれているという展開はありふれているけれど、最後まで読まないとわからない。その部分だけとってみると、エヴァンゲリオンとか、キャシャーン(映画版)、古くは手天童子とかと通じるかな。(まぁ、エヴァはちょっと違うか。)
    世界の崩壊が生じたとしてもその原因となった人たちを憎めないのは、愛する人への想いだけは本物だからなんだろうね。

    SFものというと 星野之宣氏(宗像教授シリーズが有名だけど、宗像教授自体はあんま好きじゃない)と、藤子不二雄のSF(すこしふしぎ)シリーズが好きだったけど、こういうのもいいな。

    バイオメガはマンガというより映像作品だね。台詞は非常に少なく、絵から想像しなきゃいけないことが凄く多い。説明するほうが簡単なんだろうけど、あえて説明せず、読者に判断を任せている。これは結構難しいことなんじゃないかなぁ。

    6巻だけどすぐ読める。1回通して読んだだけじゃ多分わからないから、2回、3回と読むことで、「あぁ、そういうことね!」とわかる部分もある、奥深い作品です。

  • あるセミナーで講師を依頼された。引用したい文章・文献があったのだけれど、何という書籍にかかれていた文章だったか忘れてしまった。そんなとき、社内のブログに気になる書籍や文章を書きとめていたことを思い出し、検索。すぐに探していた本を見つけだした。

    本を読んで気付いたことや、記録しておきたいことをまとめる作業は大変だけれど、知識の定着という面では役にたつ。これから機会があれば、こちらのblogでも本を読んで覚えておきたいことをまとめていこうと思う。

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    教育×破壊的イノベーション

    というわけで、今日、記録しておきたいと思ったのは、「教育×破壊的イノベーション」
    。現代のイノベーション理論の第一人者といえる、クリステンセン氏による「教育」のイノベーション理論だ。引用、記録しておきたい部分は数多くあるが、まずは下記の一文。

    日本企業が1970年代と80年代にアメリカの競合企業を追い抜いていた理由として決まって挙げられたのが、日本の人口はアメリカの四割でしかないのに、数学・科学・工学を学ぶ生徒がアメリカの四倍もいるという説だった。
    しかし日本が繁栄を遂げると興味深いことが起こった。理工系志望の学生や、理工系の学位を取得する学生の割合が、この20年にわたって低下しているのだ。何故、こんなことが起こっているのだろうか?

    ~中略~

    途上国が製造業を基盤とする経済を発展させるとき、生徒は科学・数学・工学を学ぶことで、貧困からの脱出を保障する大きな見返りを得ることができる。だが同じ国が安定と繁栄を実現すれば、生徒は自分が楽しいと感じ、自発的動機づけの持てる科目を、より自由に学べるようになる。

    そんなことから、奇妙な話だが、自発的動機づけをもてるような方法で教えられていない科目にとって、繁栄は敵になることがある。これが技術的優位がまず日本に移り、続いて中国とインドに移っている主な理由なのだ。

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    以前、私自身も理系学生の理系就職離れに関してのエントリを書いたことがあるが、この本ではより汎用的に「技術優位」が大国から発展途上国に移る様が描かれている。

    現在の「ものづくり大国」としての日本は、軍事・宇宙開発等の一部技術を除き、多くの分野で日本は世界のトップの技術を保有している。しかし、一方では中国等への民間での技術移転も急速なスピードで進んでいる。日本の技術の粋を集めたエレクトロニクス分野の移転も進んでいるため、早晩中国と日本の技術レベルは並ぶだろう。(アメリカの軍事・宇宙開発技術のように、日本企業が手放したくないコアな部分に関してはいましばらくは大丈夫だろうが、国防技術に比べて外部に流出するのは早いだろう。)

    もし、日本が「ものづくり」の道を維持しようとしているのであれば、「ものづくり」に興味・関心のある学生が自然と増えるように教育・就職の面での改革を急がねばならないと感じる。
    科学・数学・工学等の分野に関して学ぶのが楽しくなるように教育のあり方を変えるという「自発的動機付け」に加え、職探し・給与面での優遇などの「外発的動機付け」も必要だろう。

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    もうひとつ。
    教育×破壊的イノベーションで紹介されている、ハーバード大学の心理学者ハワード・ガードナーの多元的知能理論もメモしておく。ガードナーは「IQ」や「EQ」と呼ばれる狭い範囲の知能の定義を超え知能には8つのタイプがあるということを提唱した。かっこ内はその能力に優れた代表的人物だ。

    1)言語的知能(ウォルト・ホイットマン)
    2)論理・数学的知能(アルバート・アインシュタイン)
    3)空間的知能(フランク・ロイド・ライト)
    4)運動感覚的知能(マイケル・ジョーダン)
    5)音楽的知能(ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト)
    6)対人的知能(マザー・テレサ)
    7)内省的知能(ジークムント・フロイト)
    8)博物学的知能(レイチェル・カールソン)

    8パターンすべての知能を兼ね備えている人は少なく、多くの人は2~3の秀でた知能を持っている。ということが書籍内で述べられており、その例として、アルファベットの暗記が出来なかった少女が体を使ってアルファベットを表現することで、言語的知能の発達を促し、その分野に関しての知能を開放した様が描かれている。

    これは、私たちが外国語を学ぶ際にも使える方法で、1に優れている人であれば、「読み・書き」特に英語で日記やコラムをつづるというやり方が語学の発達を促すし、6に優れている人であれば、ガンガン話したほうがいいだろう。また、2に優れている人であれば文法から学んだほうが良いかもしれない。5であれば音楽や「聞く」という行為を通じて学ぶのが得策か。

    企業の採用活動に少し落とし込んでみると、言語・論理・数学といった1~2の知能に関しては筆記試験で見ているところが多い。それに加えて現在面接で特に見られているのは6の対人的能力と言えるだろう。

    残念ながら、それ以外の能力に関しては、それらの専門的な技能が必要とされている会社でしか見られていない。

    しかし、もし企業内で、採用・人材育成に関わる我々一人ひとりが、社員の優れている知能を発見し、その知能にあった指導方法・仕事の与え方が出来るとしたら、ひとりひとりの可能性を伸ばしてあげることが可能になるのではないか。(ひとつの能力を伸ばし、成功体験を積むと自己信頼感が高まり他の知能も伸びることが知られている。一流のスポーツ選手や芸術家に他の分野でも才能を発揮するのは、自己信頼感とそれに伴う他の分野の能力向上が関係しているのだろう。)

    もちろん、採用・人材育成に関わらないとしても、一人ひとりが個々に異なる知能を持ち、自らが得意とする「仕事」や「学び方」を知ることは、自己の可能性を伸ばし幸せを実現する近道だと思う。ジョブウェブを利用する学生にもこのようなメッセージを伝えていければと思う。

  • 野中郁次郎先生を初めとした、6人の執筆陣による傑作「戦略の本質」をようやく読了した。
    昨年の年末に「1月に開催するセミナーの参考資料として」購入してから、実に4ヶ月近い時間をかけて読んだことになる。

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    高校生ぐらいまでは、多読・速読派だったが、今は、一冊の本を読むのに本当に時間がかかるようになった。数ページ読む毎に、自分自身の経験や過去に読んだ本の内容と照らし合わせながら読むようになったからか。使い分けることができれば本当はもっと良いのだろうけど、本当に隅々まで読んでしまう。

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    さて、そんな本書だが、傑作だった。本書を通じて執筆陣が伝えたかったことはまえがきに全て語られているので、一部転載する。

    「戦略論がないわけではなかったが、流行している戦略論は分析的な戦略策定に終始していた。分析的な戦略論が行き過ぎた結果、戦略を実践する人間の顔が見えなくなっていた。」

    「戦略とは、何かを分析することではない、本質を洞察しそれを実践すること、認識と実践を組織的に綜合することであるはずだ、という確信をわれわれは持つに至った。そこから導き出されたのは、戦略を左右し、逆転を産み出す鍵はリーダーの信念や資質にあるのではないか、という仮説であった。そこからプロジェクトは再開された。」

    「日本のリーダーには徹底的にリアリズムが欠落していると同時に、理想主義も貧困である、ということであった。この布アツの指摘は相矛盾しているように思われるかもしれないが、優れた戦略的リーダーはこれらを同時に達成しているのである。」

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    戦略の本質は、20世紀に起きた6つの戦争(局地戦が主だ)を取り上げ、不利な状態から逆転を成し遂げた、「逆転のリーダーシップ」に関して触れている。僕が気に入った点は下記だ。

    ・戦わずして勝つ。というところが戦略の王道ではあるが、戦わずして勝つために、部分的な勝利を得る必要がある場合もある。そういう意味で、クラウゼヴィッツの「戦争とは、異なる手段を以てする政治の延長に過ぎない。」という言葉を実によく表しているものを取り上げている。政治の延長故に、世論をいかに味方につけるか。世界を味方につけるために、どのような勝利を納める必要があったか。を詳しく書いている。

    ・「戦略の本質が最も現れるのは逆転現象ではないか」著者らのこの仮説は、多少乱暴には感じる。しかし、世の中の多くのリーダーが求められているのは、「不利な状況から、勝利する」ということなので、この仮説に基づいた事例紹介、研究はビジネスに転用が利きやすく、参考になる。

    ・戦略に達するための分析的アプローチを否定しているわけではない。数字や現場の視察によるリアリズムを重視した上で、理想主義も大切である。と述べており、それは両立するモノである。と述べている。世のリーダーの多くは、リアリズムがある人は理想主義がなく、理想主義がある人はリアリズムがないように感じる。経営陣で役割分担できていれば問題ないのだが、基本的には経営者のもとには同質型の人材が集まるために、役割分担が出来ていないケースもままあるだろう。

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    満足のいく、戦略の教科書に出会うことは稀だ。

    戦略の本質は差別化にある。
    己の強みを活かし、弱みを消す。他の強みを消し、弱みを攻める。
    様々な(そして新しい)分析の手法を知る。

    そういった何にでも当てはまるセオリーはあるが、セオリー通りに行っているだけでは、ライバルに打つ手を読まれて命取りになる。常に、現在おかれている環境や利用できる資源に応じて、臨機応変に戦略を立案していかねばならない。そうするためには、教科書を読み、セオリーを学ぶだけでは不十分だ。(もっともそれは最低限必要な行為ではある。)

    置かれた環境に応じて、解決策を立案する洞察力の訓練が必要不可欠だ。
    (あなたが、他に対して差別化され、比較優位を築ける戦略を立案したいのであれば、きっと。)

    軍隊では、事例研究に重きを置く(MBAのケースメソッドも軍隊の事例研究から生まれたモノだっただろうか。)というが、事例を学び、現在に応用して考えるにあたって、この「戦略の本質」は非常に優れた事例研究の書であると言える。

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    歴史に学ぶ。自分未来塾の「歴史学」でもこの要素をもっともっと強くしていきたい。と思いを新たにした。