サイモン・シンと言えば、名著「フェルマーの最終定理」で有名なサイエンスライターですが、今回ご紹介する「宇宙創成
」も本当に傑作だと思います。
『宇宙創成』は私達人類の宇宙に対しての認識がどのように深まっていったのか、その歴史を綴る科学書なのですが、文系の私にもわかりやすく宇宙の神秘や構造を理解できるように、理論の発見に貢献した偉大な科学者たちの発見にまつわる様々な人間ドラマが織り交ぜられながら、宇宙に関する人間の概念の進化が語られます。例えば、「天動説」を唱えたコペルニクス。
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年老いたコペルニクスは、最後の力を振り絞って、既存の価値観・世界観と真っ向から対立する「天動説」を提唱する書を書き上げる。歩けないコペルニクスに代わり、原稿を印刷所に持って行くのは、コペルニクスの手足となり研究を助けた若きレティクス。しかし、原稿を見たレティクスは自分の貢献に対する謝辞が書かれていないことにすっかり落胆し、印刷を人に委ねてしまう。後日、コペルニクスに届けられた書籍には、コペルニクス自身の手によるものではない、研究成果を台無しにしてしまうような序文が書き
加えられていた。コペルニクスはその内容に驚き、翌日、失意の中に死を迎えることになる…。
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このようなエピソードが至る所にちりばめられており、宇宙について知る本としても、その背後にいる偉大な(そして人間くさい)科学者たちについて知る本としても一級だと思います。
宇宙はいつ生まれたのか。
私達が認識している宇宙の外には何があるのか。
今、私達が常識と考えている宇宙は本当に正しいのか。
そんなことを一度でも考えたことがある人は是非、お読みください。
知らないうちに私達の頭も「常識」という名の「地動説」に囚われているかも
しれません。
(評価)
- 幼い頃、ワクワクしながら科学雑誌「ニュートン」を読んだ人にとって
★★★★☆ (星4つ。青春とは心の若さと衰えることのない好奇心。)
※本当のエピソードとでっちあげエピソードがきちんと切り分けて紹介
されているのであれば星5つだった。あと、一部冗長な部分も残念。
- 「お金持ちになるための本」しか今は読みたくない。という人にとって
★☆☆☆☆ (星1つ。この本で満たされるのは懐ではなくて心と好奇心。)







