• fukui, 経済・社会 21.10.2009

    就職活動中の学生のみなさんには、
    今はまだ、必要ないかもしれないが、重要なことを書く。

    変化する企業の価値観 1/2

    リーマンショック前の10年間で、
     ・企業の経常利益は28兆円から53兆円に増えた。(+25兆円)
     ・一方、従業員給与は147兆円から125兆円に減った。(-22兆円)

     これは、財務省のホームページに掲載されている法人企業統計調査から抜粋したデータだ。標本調査による推計値なので、完全に正確とは言い難いが、企業活動の動向を把握するためには役に立つ。

     リーマンショック前の10年間は、国内経済はどん底の状態から緩やかな回復、そして成長に向かっているといわれていた時代だ。

     その、「景気が回復している」といわれている時代、企業活動の内情を見ると、なんのことはない。コストカットにより人件費(給与)を減らし、そのぶんを利益に反映していただけという事実が見えてくる。

     給与カットには、中高齢者のリストラもあれば、派遣社員の割合を増やすなど、雇用形態の変更もあれば、成果報酬制の導入により、給与の上昇カーヴを抑えるという方法もある。もちろん、人が行っていた労働を、外部やシステムに代替するという方法もある。

     景気は循環するから、日本の景気もどん底を迎えた後は上昇に転じるだろう。しかし、これだけは覚えておいたほうがいい。「国内企業が従業員に支払う給与は先細りし続けている」ということだ。

     もちろん例外はある。高成長を続ける会社だ。どんな会社の説明会にいってもだいたい、「ウチは安定している」「ウチは従業員を大切にする。」「ウチは~~という理由で高成長を続けることが出来る。」という話をする。しかし、そういい続け、没していった企業が多いことも記憶に留め置くべきだ。

     より重要なことを話す。「給与所得が減って」「企業の経常利益が増える」とは、家計の視点から見れば、労働収入が減り、(投資している人にとっては)資産収入が増えることを意味する。この10年、日本はひたすらに、その道を突き進んできたのだ。

    ※改めていうほどのことではないが、企業の経常利益は、特別損益を加えた後、法人税という形で日本では22~30%を国に納めることになっている。それ以外は、配当や自社株買いによって株主に還元(株主の資本収入)されるか、更なる成長のための再投資に回される。

     しかし、未だ多くの社会人は、個人の投資能力を磨く努力を怠っている(だから、せっかく企業が産み出した利益も、多くはより洗練された海外の投資家に持って行かれたことだろう。)プレゼンスキルとかリーダーシップとか、マーケティングとか、(主に)労働収入を増やすスキルアップは盛んに行われるようになってきたが、資産収入を増やすためのトレーニングに関しては取り組みが遅い人もまだまだ多いんじゃないかな。と思う。

     就活生の皆さんであれば、社会人1年目に頑張って100万(か、それ以上)貯めて、それで資産運用してみて、投資のリテラシーを磨く努力をしてみるといいと思う。最初は失敗するかもしれない。しかし、それは授業料だと思って、継続的に投資の力を磨いていくことがより重要だ。(失敗しても再起が利くように、職は手放さないように!)

     また、日本は実質GDP成長率がマイナスとなっている、世界の中でも本当に例外的な国(大国としては唯一)だ。しかし、世界に目を向ければ、GDPが10%近く上昇している国もざらにある。世界に目を向け、伸びゆく国と取引するか、投資をし、成長の果実を分かち合う。という発想は、これからもっともっと重要になってくると思う。

     バブルの時代に生き、成功したオトナ達の中には、20代の頃は給料全部使って、めいっぱい遊べ。という人がいる。さすがに今は少ないかもしれないが、私が学生時代の頃はまだまだそういう話を良く聞いた。人は、ついつい自分自身の成功体験が他の人にも当てはまるかのように考えがちだ。また、時代が変わっても、過去の成功体験が今でも通用すると思いこみがちだ。

     人の話を鵜呑みにするのではなく、客観的に、冷静に、データをもとに外部環境を見極め、したたかに個人のサバイバルプランを練っていくことがこれからますます必要とされている。

    Posted by fukui @ 7:34 PM

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