• 今週の一冊 10.09.2009
    月と六ペンス サマセット・モーム

    月と六ペンス サマセット・モーム

    ポケットに本を一冊忍ばせて、公園や浜辺で気がすむまで読書にふける。そんな休日の過ごしたい人に手にとってもらいたい小説。『月と六ペンス

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    株式仲買人を生業としている40男、ストリックランド。彼はある日突然、妻と子、安定した生活を捨てて姿を消す。社会と人間を拒絶し、彼は海に浮かぶ極彩色の島で「絵」を描き続ける。彼は「絵」を売ろうとはしない。また、買いたいという人もあらわれない。彼は「絵」を描き続け、いつしか死を迎える…。
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    まぁ、そんなストーリーです。

    作中でストリックランドは、明らかな「人でなし」として描写されます。成功者というよりは人生の落伍者として扱われます。しかし、「人でなし」や「成功」とは一体誰が決めることなのだろう。という疑問が読み進めるに従って自然と湧き上がってきます。

    皮肉なことに、ストリックランドの絵は彼の死後、爆発的に売れ始めます。

    しかし彼はそれを望んでいたのか。彼は幸せではなかったのか。
    そしてまた、読者である自分自身は何を望んでいるのだろう。自分にとっての幸せとはいったい何なのだろうか。

    そんなことを考えさせてくれる一冊です。

    (評価)

    – 絵画、音楽、歌、舞台…。少なからずアートに興味がある方にとって
    – よく晴れた休日。波の音を聞きながら読書をしたい。という方にとって
    ★★★☆☆ (星3つ。心かき乱される不思議な感覚)

    – アートじゃ飯は食えないし、興味はないという方にとって
    ★★☆☆☆ (星2つ。珍獣を見る感覚であれば、なんとか読める。)

    #ストリックランドのモデルはポスト印象派の画家、ゴーギャン。つい先日まで、上野の美術館でゴーギャン展が開かれていたので、観た人も多いことと思います。見に行けば良かった。激しく後悔。

    Posted by fukui @ 7:09 PM

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