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株主価値の最大化と社会価値の創出に関する考察

企業倫理とCSRの授業の復習をしつつ、頭に浮かんだ疑問などを徒然なるままにつぶやいていたら、ブログ記事になりそうだったのでコピペしました笑 あくまで考察ですので、ご了承ください。


企業倫理の授業での前半部、CSRを「啓発された自己の利益」として、企業利益の向上のために用いる考えなどの前提や生い立ちを流れで学ぶ中で、自分が一番関心を持った潮流が「株主価値を最大化すること」(つまり利益を最大化すること=PMB)が法的義務となり、市場経済において支配的なパラダイムになった経緯です。株式会社の台頭、株主価値の最大化を法的義務とした潮流が今の資本主義を理解することに必要だし、そしてそれ以前の人道的起業家による家族経営の形を学ぶことはこれからの資本主義を理解する助けになると思います。


そもそも、そうしたパラダイムが市場経済を支配する以前は、ビジネスは利益の最大化をするものという前提が弱く(なかったとは言いません)、今のソーシャルビジネスのような事例は存在していました。例えば、産業革命後のイギリス。劣悪な労働環境、経済格差、環境汚染、こうした事態に立ちあがった人道起業家達がいます。今自分のいるウェールズからは世界史でも有名なロバートオーウェン、彼は協同組合運動の創設者で有名です。彼はスコットランドの工場で大量に仕入れによって質のいい品物がコストをほんの少しだけ上回る価格で買える店をオープンしました。これが協同組合運動の芽であり、こうしたプランで経営される店は今や当たり前のものとなって、イギリス全土とヨーロッパのあらゆる場所で運営されているらしいです(「貧困のない世界を創る」ムハマドユヌス著)。


またUnileverのWilliam Leverはポートサンライトという労働者のための居住地域を提供しつつ、人々の清潔な暮らしのために石鹸の事業を始めました。チョコのCadburyも労働者用の村を作りました。こうした起業家は皆、クエーカー等の思想を持ち合わせた人道的起業家だったわけです。定義やモデルの違いこそあれ、今のソーシャルビジネス(もしくは社会起業)の考えに近いものを理念として掲げていたわけです。


しかし20世紀になり株式会社が増え、さらには株主価値を最大化することが法的義務となったことで、社会価値の創出は「賢明な自己の利益」としてPMBの一つの手段となりました。自由経済のMフリードマンいわく


“The social responsibility of business is to increase its profits.” (1970)

“The only responsibility law-abiding business and managers have is to maximize profits for the shareholders.”


「企業の社会責任は利益を最大化すること」説き、社会価値の創出は法人税を財源とする政府の役割だと考えます。この変化が今ある企業のPMBの前提を作り、社会価値の創出やCSRなども企業の利益の創出という点から議論されていくわけです。ここまでが授業の復習の範囲で、以下は考察がメインです。


しかし「株主価値」が社会的価値の創出という要素を含むようになると、「企業は利益を最大化(株主価値を最大化)するもの」という前提が覆るようになるのではないかと思っています。これが格付け機関も巻き込みここ数十年起きている重要な変化。CSRを始め、SRI、BOPビジネス等も結局は利益の最大化に適うから肯定できるのではないか。


ユヌスの定義に従えば、ソーシャルビジネス(SB)を株主価値の最大化ではなく社会的価値の最大化を目的とし、配当の代わりに社会価値が投資家と社会へのリターンとなり、利益はビジネスに再投資される持続可能なものとなります(同著参照)。ではSBと社会的価値の創出を株主価値の最大化の手段とするPMBは交われるのでしょうか??


ユヌスはPMBとSBのハイブリッドは難しいと言います。しかし結局のところSBは長期でのPMBとなっていくのではないかと考えています。その過程で信頼の獲得、現地調査、パートナーシップ、イノベーション、人材の確保などの副次効果を得ることができるはずです。これに関しては槌屋詩野さんのBOPビジネスのリターンの類型も参考になります。



ここまでは割と自分の中で整理がついていること。でも二つ腑に落ちないことはSBが「ソーシャル」からフェードアウトした時とPMBとの接合点、もう一つはPMBという前提そのものがSBなどの考えによって揺らいでいるということ。つまりはSBとPMBの間にこれからの仕組みのヒントがあるはず。


ここでPMBという前提を改めて考える。ここではどのような動機付けを持っている投資家が企業を所有しているかという要素が重要なはず。株主=リターンの最大化という図式はどこまで成り立つのだろうか??企業が株主のものだとして、今の時代株主全員がリターンの最大化を望むかは分からないのでは??Mフリードマンを始め、自由経済の中で企業は利益を最大化するものと考えられていた。そしてフリードマンはその根拠を株主価値の最大化のためと言う。そこから経済インセンティブに基づいて外部経済を内部化することで社会価値を創出しつつ利益を最大化するという考えになっていくのは分かる。しかし、PMBによる株主価値の最大化の前提が崩れることは起きえるだろうか??PMBとSBは完全に分離したままだろうか??SRIの総額はまだ投資総額の5%にも満たないし、Social Stock市場もこれから議論が本格化していく考えだと思う。その先にある企業の定義とは何だろうか??


ユヌスがSBとPMBを分離して考える方が好ましいと考えるのも分かります。目的が明確にならないこと、その測定の複雑化ということ。しかしSBはいずれPMBに発展していき、またPMBもSBの要素を取りれていくこと、「相互浸透の法則」が働いていくのではないか??そしてそれがこれからの資本主義を読み解く上で重要なのではないか。


そんなことを妄想しているから試験勉強が進まない、進まない笑 こうして自分の中の頭の中のカオスをアウトプットするのがこのブログの目的の一つなので、ご了承ください。今回この考察をするにあたって参照したのは「貧困のない世界を創る」ムハマドユヌス著です。ご参考までに。


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