BOPビジネス概論 : はじめに
その1:はじめに
その2:市場の特徴
その3:ターゲット市場の特定
その4:マーケティング・ミックス 1 2 3
その5:日本企業への提言
その6:市場を開拓する人材要件 1 2
投稿初回となる今回は、最近良く聞くようになった、BOP( Bottom of The Pyramid ) 市場に関して、Gift-japanなりの視点で解説・分析を行いたい。
BOP市場という概念を世に知らしめたのは、なんといってもC.K.プラハラードの著作ネクスト・マーケットだろう。この分野では古典であると同時にバイブルでもある。
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略
著者:C.K.プラハラード
販売元:英治出版
発売日:2005-09-01
おすすめ度:4.5
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ネクスト・マーケットの問題点としては、膨大な分量をもつが故に、初めてBOP市場という名を聞く人にはポイントが掴みにくく表面的な理解に終わってしまう危険性があることが挙げられる。
また、日本に紹介されたのは2005年のことであるため、BOP市場への認知が広まり、いくつかの成功例と失敗例、そして経営者の心の準備が整った今であれば、BOP市場への進出に向けて更に具体的な提案をすることも可能だと思われる。
本記事では、数回の記事を通じてBOP市場の概要と特徴、そして日本の取組みが理解出来るように解説を試みる。ひとつの記事は5分程度で読める短い記事にまとめ、読みやすく、親しみやすい内容を心がける。
解説の流れ
以下の流れで解説に取り組む。
- BOP 市場の特徴
- BOP市場へのマーケティング:4P分析
- (日本)企業への提言
- BOP 市場を開拓する人材育成
はじめに、BOP市場の特徴を整理する。良く聞くのは、
世界で40~50億人貧困層と言われる人たちがいる。しかし、彼らの所得は急拡大しており、市場としては5兆ドル規模。という説明だ。この説明は間違いではないが、BOP市場の特徴のひとつに過ぎない。その他にも抑えておくべき重要な特徴がいくつもある。それをわかりやすく整理するのが、1.BOP市場の特徴の目的だ。
次に、BOP市場にどう参入したらよいのか、マーケティングの視点から考えて行く。慣れ親しんだ4Pのフレームワークを用いることで、多くのビジネスパースンに理解頂きやすいように伝えることを目的とする。
さらに、BOP市場に進出するにあたって、企業が注意しなければならない視点をGift-japanの視点でまとめる。BOPという言葉自体は最近になって、
BOPビジネス政策研究会というグループが経済産業省内に設けられたように、かなりメジャーになってきている。
しかし、日本企業がこれまで強みとしてきた特徴はBOP市場ではマイナスに働く場合もある。かといって、BOP特有の市場環境に合わせようとするとかえって保有していた強みを失い、失敗してしまうことも多い。この5年間の国内企業の取り組みはその試行錯誤の連続だった。必要なのは、BOP市場開拓の戦略目標を適切に設定することだ。その点に関してGift-japanなりの提言をまとめる。
最後に以上の議論を持って、BOP市場を開拓するのに必要な人材の要件を明らかにする。また、そういった人材の能力開発はどのように行うべきか、提言する。 BOP市場で国内企業が十分な利益を上げることができるようになるまで、5~10年の時間がかかる。
企業規模が小さい企業であればあるほど採算ラインには早くのせることができる。しかし、10年後を見越して大企業も人材開発と市場開発を行っていかなければいけない。それも、可能な限りリスクを小さくして取り組む必要がある。では、どのように取り組めば良いのか。いくつかのオプションを提示する。
BOP 市場は、大変魅力的なマーケットであることは間違いない。しかし、最近は本質を理解しないまま表面的な理解、過剰な反応が多いようにも感じる。これまで日本企業が主にターゲットとしてきた先進国の市場とは、異なる部分もあれば同じ部分もある。
冷静に議論し、世界の発展と問題解決に寄与することができるような小論を目指したい。
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