2015年までには、アフリカには225、アジアでは903、ラテンアメリカでは225以上の都市部が出来ると言われている。発展途上国の368以上の都市でそれぞれ100万人以上、少なくとも23の都市で1000万人以上の住民を擁することになるという。合計すると、これらの都市部の人口は約15~20億人になり、その35~40%以上が、BOPの消費者で構成されることになる。(ネクスト・マーケットより引用)
人口が都市に集中していることはビジネスを展開する上で大きな助けとなる。
インドは、「民間企業への深い疑い」を抱いたまま始まっている。その背景には、この国が東インド会社や植民地主義と関わっていた影響があり、現地の民間企業との付き合いも、あまり前向きに捉えられていなかった。「民間企業は貧困層を搾取するもの」という疑念は、「正しく道徳的なこと」を行う政府機関に対する絶大な信頼と結びついた。
インドは、規制の撤廃と自由競争の促進を政策に掲げたナラシマ・ラオ政権に移ってから急速な成長を実現した。インドに限らず、BOP市場を保有する発展途上国の多くは、ブラック・マーケットに代表される民間企業への不信から伝統的に政府が大きな規制を実行してきた。
逆に言うと政権交代や規制緩和による成長余地が大きく、いざ国による規制緩和が実行に移されると爆発的な市場成長が見込めることを示している。また、先進国でビジネスを展開してきた多くの企業はBOP市場向けの財・サービスのイノベーションに取り組んだことが極めて少ない。BOP市場の購買力にあった生産体制や流通体制、プロモーションにはイノベーションの余地がおおいにあり、他社にさきがけてイノベーションを生み出し、市場を制することが出来れば、巨大な先行者利益を得ることができる。
国単位で見ると新興国は年率10%程度の経済成長を実現しているが、BOP市場に限って成長率を見ると、50~100%近い成長を実現している。リスクコントロールは必要だが、早期に参入するメリットは十分あるろう。
3)貧しいがゆえの不利益を被っている
BOP市場の消費者は、適切なコストで製品やサービスを手に入れることができてない。一番顕著な例は、金融だ。BOP市場の消費者は地元の貸金業者からお金を借りるときに、年率100%以上の利子を支払うこともある。(ネクスト・マーケットで紹介されているダラピの事例では年率600~1000%の利子を支払っているという。)
グラミン銀行はこういった層に対して年利20%程度で資金を貸し付けることを実現した。日本では年利20%というと高金利だが、高金利に苦しんでいた消費者たちにとっては、これ以上なくいい条件が提示されたと言える。また、貸し付けた資金の回収率も極めて高い
また、それ以外にも地方での独占事業主の存在や、不十分な販売網、情報不足、強力な中間搾取事業者の存在などが、貧困ゆえの不利益を生み出ししている。
貧困ゆえの不利益をイメージするときは、離島や山小屋の小売店をイメージすると良い。そういった地域の事業主は、販売網が未発達なため輸送に多大なコストがかかっている。また、多くの場合、独占的に事業を行っている。そのため120円のジュースが150円で売られたりするわけだが、こういった状況がBOP市場で更に顕著に顕れていると考えてもらいたい。BOP市場が離島や山小屋の小売店と異なるのは、十分な人口を抱え、流通や商品を地域にあった形に整えれば大きな需要が見込めることだ。
この貧しいが故の不利益を理解し、ビジネスを通じて是正する方法を考えることが、BOP市場に効果的にアプローチする際に助けとなる。
4)急速に進むIT化
2008年に行われた調査では、全世界で41億人に携帯電話が普及しているという。2002年に行われた調査と比較しても利用者は10億人増えており、 2010年にはさらに10億人が携帯電話を利用するようになるという。増加する10億台の携帯電話のうち、8割は発展途上国への普及と見積もられている。
BOP市場の人々は携帯電話で農作物の相場を知り、最も高く販売できるところに商品をおろす。先進国が長い年月をかけて発展させてきたテクノロジーの恩恵をBOP市場の住人たちは余すところなく受取ることが出来る。それは裏を返せば、財・サービスのサプライヤーにとってもプロモーションや流通といったマーケティング面でテクノロジーを活用出来ることを意味する。

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